「君の名は。」とイノベーションについての考察

使い古された3つの要素をかけ合わせた作品、という見方

今更ですが、昨年の話題作「君の名は。」をやっと見ました。と言っても、飛行機であまりにもやることがなくて見た、という程度ですが。

これを見ていて、お話自体はまあ面白かったかなとは思いますが(事実判明後の展開は蛇足でしたね・・・)、ちょっとなるほどなーという気付きがありました。

以下、ネタバレを含みますので、興味があってまだ見てない方は読まないことを推奨します。

まあ、今更興味があって見てない人は居ないと思いますが・・・。

表題の方にもかかせていただきましたが、この作品の軸となる要素を分割して考えると、以下の3通りなのです。

  1. 男女の入れ替わり
  2. 過去を変える
  3. 時系列のズレ

ここまで読まれている方は、既に見たか、見るつもりもない方のどちらかだと思いますので、後者の方のために、ものすごく簡単に、このお話の概要を2文で説明します。

「男女が入れ替わっていたが、実は時系列が違っていて、女子の方は実は過去の事故で死んでいた。それを知って、過去を変えるために奮闘する」

以上です。見事に2文で説明がつきましたね。・・・つまり、繰り返しになりますが、このお話のエッセンスは上記の3点になるわけですね。

1点目は、もはや作品名を挙げればキリがないくらい、多くのコンテンツで使われている設定です。2点目も、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という巨大コンテンツを筆頭に、あらゆるSF作品で使われている技法です。そして3点目は、ミステリーでよく使われる「叙述トリック」を巧みに利用したものですね。敢えて時系列には触れないことで、蓋を開けたときの驚きを演出するわけです。

シュンペーターは、イノベーションをこう定義しました。

「イノベーションとは、経済活動の中で生産手段や資源、労働力などをそれまでとは異なる仕方で新結合することである」

つまり、イノベーションとは、「これまであったものを別の組み合わせにすることで、革新的なものが生まれる」ということになるわけです。

まあ、「君の名は。」がイノベーションと言えるものかというとNoですが、一つ言えるのは、使い古された定番でも、それを巧みに組み合わせることで、全く新しいコンテンツを作ることができるということなんですね。

というようなことを感じて、同じような例で何かビジネスチャンスは無いものかなと、日々空想にふける私でございました。

かなり久しぶりの記事の上に、特にオチもないです・・・。

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